認知症の父の在宅介護記録

アルツハイマー型認知症(要介護5)を患う父の在宅介護の記録

誤嚥性肺炎

穏やかな日々

写真は我が家のちびっこナース 最近はルーティーンワークをよく理解していて、 「じいじの注入」というと、計量カップとシリンジを取ってきてくれ、 「じいじのオムツ交換」というと、オムツを大量に(←ここがポイント)くれる。 子どもは本当に大人の言動を…

訪問入浴

寝たきりの介護において、家族ではできないことの一つに入浴がある。 施設や病院の場合、ストレッチャーが浴槽と連結した特別な入浴機器があり、寝かせたままでの入浴が可能だけれども、一般家庭の場合そうはいかない。浴槽まで運ぶことはできても、浴槽の中…

訪問リハビリ

9月末に退院してから、父の状態はすこぶる良い。 下痢も完全に止まり、痰も減り1日に1回吸引するかどうかというくらいだ。体温調節の仕方も要領を得てきたので、熱があがることもほとんどない。一時は酸素の値が、しょっちゅう90を下回っていたけれども、最…

介護生活は山あり谷あり

度重なる、下痢との闘いも退院して数日で終わりを告げることとなった。 特に何か新に特別なことをしたわけでもないが、下痢は収束していった。 私は何においても、原因ー結果の関係を知った上で、対処法を検討したいたちで、 父の病状についても「なぜそうな…

寝たきり患者の体温調節の難しさ

父の介護を通して、寝たきり患者の体温調節の難しさを痛感している。 父のような寝たきりの場合、ほぼ24時間ベッドの上にいることになる(唯一ベッドから出るのは訪問入浴の時くらい)。自力で動くことができないので、背中はずっとベッドに接している状態。…

下痢とのたたかい(その3)

下痢が再発し7月末に入院することになった父。 結局、入院後の検査でCD腸炎であることが分かったため、高カロリーの点滴を投与し、下痢の治療にあたることになった。 当初はお盆あたりに胃ろうの検査&レスパイトをかねて入院する予定だったのだが、下痢の治…

終末期医療のあり方とは

「欧米に寝たきり老人はいない」これは外国人である私の夫もよく言っている。 彼の国には、今の私の父のような最期の迎え方はないということを聞き、 ここでも「日本の常識=世界の非常識」を感じる。 この著者のインタビュー記事がこちら。 yomidr.yomiuri.…

介護な日々(ほっこりする時)

父がレスパイトと胃ろうの検査入院(のみの予定だったが、胃ろうが作れる状態であることが判明したため、胃ろうの手術もしていただいた)を終え、退院したのは9月末。 父の帰宅後、また介護生活が始まる。そんな日常において、1才5ヶ月になる私の娘が、ほっ…

下痢とのたたかい(その2)

退院後、最初の下痢が8日間続いた後、しばらく父の状態は落ち着いていた。経鼻栄養も再開し、普段どおりの時間が戻ってきた。と安心したのもつかの間、7月下旬にまた下痢が再発した。。。 薬の処方をお願いした際に、前の下痢の時、2回目に出してもらった薬…

下痢とのたたかい(その1)

退院後の父は自宅に帰ってきた安心感からか、体調はすこぶるよく、これまでの眉間にしわを寄せっぱなしで終始苦しそうだった父とは別人のように、表情も穏やかになってきた。「もって2, 3か月、夏は越せないでしょう」と言われていたのが嘘のようで、「来年…

介護保険のあれこれ

介護保険。介護にかかる費用の一部が保険によって賄われるものだけれども、これまたすごく幅広くカバーされている。 介護保険で受けられる介護サービスといっても、本当にたくさんある。なので、ここではサービスを受ける場所ごとにまとめてみた。 1.自宅…

胃ろうという選択

父が退院して間もなく2ヶ月、経鼻栄養をはじめて4ヶ月程が経とうとしていたこの夏。胃ろうという選択肢について考える段階がきた。 胃ろうとは、食事をとることがができない場合、誤嚥する危険性のある場合など、何等かの理由で口から栄養摂取ができない方に…

朝日新聞:終末期患者が蘇生拒否、半数超の消防本部で対応に苦慮

www.asahi.com この記事の内容、他人事ではない。 我が家でも、この件については何度か話をしてきたものの、いざ何か起こった時には、気が動転して救急車を呼びかねないなと思う。 父が退院してから呼吸困難になったことが2回あった。 1回目は昼食におかゆを…

介護な日々(1日の流れ)

在宅で介護を始める前は、いったいどんな日々になるのか、想像もつかなかった上、様々な方から「頑張りすぎないように」と助言を頂いていたが、いざスタートしてみると、さほど負担とは感じない。基本的にはルーティーンが大半なので、自然と生活の一部にな…

育児と介護

20代~30代あたりで育児にたずさわり、子どもが自立し一段落という40代~50代あたりで親の介護を迎え、60代~70代くらいで配偶者の介護が始まるというのが世間一般のスケジュール感だろうか。こうしてみると、人生において自分以外の人間のお世話をする時間…

医師の鑑

これまでプライベートでも、仕事でも様々な医療機関で、数多くの医師と接してきたが、医師も十人十色だと実感している。 今回、父の担当をしてくださった医師・A先生は今まで巡り合った医師の中でも、群を抜く素晴らしい方で、まさに医師の鑑と言える方であ…

患者や家族に寄り添うことの大切さ

父の命がもう長くないということをはじめて知ったのは、3月末に施設で体調をこわした時のことだった。 咳と微熱が数日続いていたのだが、施設の職員の1人が、父もいる部屋の中でおもむろに「で、看取りはどうされますか」と母と姉に尋ねてきたらしい。単に体…

退院に向けて(関係者でのミーティング)

3月末より肺炎の症状が出てた父、4月5日に施設の運営母体であるクリニックを受診し、その日のうちに総合病院に入院。医師・看護師による献身的な治療、言語聴覚士によるリハビリを受け、約2ヶ月の入院期間を経て、6月6日に退院することとなった。 入院当初は…

退院に向けて(オムツ交換について学ぶ)

寝たきりで、全ての行動に介助が必要な父。オムツ交換にもスキルが必要。オムツ交換は病院で看護師さんより指導していただいたものの、状況に応じた工夫等は退院後ヘルパーさんからも色々教えていただいた。何度も体位変換することなく、手際よく行うことが…

退院に向けて(口腔ケアについて学ぶ)

高齢者にとって、口腔ケアは単に虫歯や歯周病を予防するためではなく、感染症予防という大きな意味合いをもつ。 加齢とともに、歯を失ったり、唾液の量が減ったりと、口腔内も老化していくのは仕方がないこと。でも、こうした老化現象によって、口腔内の細菌…

退院に向けて(体位変換について学ぶ)

床ずれという言葉を聞いたことはあったけれども、いまいちどういうことを指すのか分かっていなかった。が寝たきりの父と日々接する中で、ようやくその意味が分かってきた。 床ずれは褥瘡(じょくそう)とも呼ばれる。寝たきりの場合、身体が動かせないため、…

退院に向けて(痰の吸引について学ぶ)

季節はそろそろ初夏に 普段、痰なんてさほど気にしたことがなかったものの、誤嚥性肺炎をわずらう患者にとって痰は大敵。特に父の場合、入院当初、咳すらできなかったので痰が出ても自分で吐き出すことができなかった。そうなると、ドンドン痰が気管支に貯ま…

退院に向けて(経鼻栄養の注入について学ぶ)

父は嚥下訓練により嚥下機能も回復してきたが、それでも3食すべてを口から栄養摂取できる程には至らず、口から食べられるのはゼリーやアイスクリームなど、お楽しみ程度のものにとどまる。そのため基本的には1日3食、経鼻栄養の注入を行わなければならない。…

退院に向けて

季節は変わり、桜から新緑へ いよいよ父の退院の目途がたってきた。入院当初はもうこの病院で命をとげるのではないかと、みんなが思っていたものの、肺炎もおさまり、栄養状態も良くなり、父は着実に回復することができた。ようやく父も住み慣れた我が家に帰…

誤嚥性肺炎(嚥下訓練)

認知症になってからの父は最初に数(時間や金額)が分からなくなり、だんだん分からない状態への不安から苛々することが増えてきた。そして次第に物の名前も出ずらくなり、言いたいこともうまく伝えることができなくなってきた。プライドの高い父は、うまく…

誤嚥性肺炎(治療)

入院期間中、肺炎と膿胸の治療を行うこととなった。 ●肺炎治療 入院してから肺炎治療のために抗生剤の点滴を行っていたものの、1週間弱でまた高熱が出て、肺炎をぶりかえしてしまった。誤嚥性肺炎の場合、いくら抗生剤で肺の炎症を抑えられたとしても、その…

延命措置について

入院当初、医師からは、父の状態は老衰の末期で、状態としては非常に厳しい。もって数か月程度と告げられ、私たち家族は大きなショックを受けた。肺炎の状態もさることながら、自力で食べることができない=老衰の末期状態であり、命が終わる時期が近づいて…

誤嚥性肺炎(発症から入院まで)

写真はちょうど父が入院した頃に撮ったもの。 施設に入っていた父が入院することになったのは、誤嚥性肺炎を患ったためである。 誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物、唾液等をゴクンと飲みこむ動作(嚥下機能)が低下することで、本来食道から胃に送られるはず…

はじめに

写真はちょうど父が入院した頃に撮ったもの。 父は83才。アルツハイマー型認知症を患い、現在は要介護5の寝たきりの状態。 認知症発症後も自宅で介護にあたっていたものの、しだいに家族の負担も増し、1年4ヶ月前に施設に入所するも、4ヶ月前に誤嚥性肺炎の…