認知症の父の在宅介護記録

アルツハイマー型認知症(要介護5)を患う父の在宅介護の記録

退院に向けて

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季節は変わり、桜から新緑へ

 
いよいよ父の退院の目途がたってきた。入院当初はもうこの病院で命をとげるのではないかと、みんなが思っていたものの、肺炎もおさまり、栄養状態も良くなり、父は着実に回復することができた。ようやく父も住み慣れた我が家に帰ることができる。また父の病棟は小児科病棟と共有であったため、小さい子どもの面会は禁止されていて、入院期間中は父の孫にあたる、1才になったばかりの私の娘を父に会わせることができなかったが、これからは孫とともに自宅でゆっくり過ごすことができる。誰もが待ち望んでいたことだ。
 
しかし、同時に、父の介護・看護についての不安も出てくる。父は1年ちょっと前に施設に入所し、その後肺炎を患い、施設→病院へと移動した。施設に入る前の父はまだ歩くことも、食事をすることもできていたので、今の全介助が必要な寝たきりの父の介護・看護は私たちにとっても初めての経験。
 
・様々な医療行為を私たち家族はきちんとできるだろうか?
・環境の変化に父は適応できるだろうか?
・様態が急変した時にパニックにならず対処できるだろうか?
などなど私たちの中の不安はつきなかった。
 
今回入院した病院では、もちろん自宅で行う医療行為についても、きちんとマンツーマンで手技の指導をしてくださった。私たちが病院で学んだことは主に以下の4つ。
 
・経鼻栄養の注入
・痰の吸引
・口腔ケア
・おむつ交換や清拭
 
入院の目途がたってからの2週間程は、それぞれを実施する時間にあわせて私たちが病院に行き、看護師の指導のもと実際に練習させていただいた。ただでさえ忙しいのに、素人の私たちに手とり足とり丁寧に指導してくださる看護師さんの忍耐強さには頭がさがる。これらの手技については、以下のような流れで練習をした。 
 
・看護師さんのお手本を見る&動画を撮る(もちろん許可を得て)
・帰宅後、動画をみながら復習する
・重要ポイントはノートにメモ
・次の日、実際にやってみる
・看護師さんからの指摘事項やアドバイスをノートにメモ
・次の日、再チャレンジ
 
最初は右も左も分からず、オロオロしていた私たちも、回数をこなすことで、こうした主義も自然に身についていった。やっぱり学習って反復練習が大切だなと実感。
 
自宅で介護にあたることは、もちろん肉体的にも精神的にも負担は大きいけれども、こうした医療行為も覚え、実践し、慣れていくことで、要領も得てくる。また帰宅後もヘルパーさん、訪問看護士や医師など、介護分野のプロの方がともに伴走してくださるので、あまり不安になりすぎる必要もないと、後から振り返ると思える。
 
それぞれの手技についての詳細は、また後日!