認知症の父の在宅介護記録

アルツハイマー型認知症(要介護5)を患う父の在宅介護の記録

穏やかな日々

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写真は我が家のちびっこナース

最近はルーティーンワークをよく理解していて、

「じいじの注入」というと、計量カップとシリンジを取ってきてくれ、

「じいじのオムツ交換」というと、オムツを大量に(←ここがポイント)くれる。

子どもは本当に大人の言動をよく見ているなあと感心する。

 

さて、10月から続く、父の好調期は継続しており、おだやかな時間を過ごすことができている。春には「余命1ヶ月程」と言われ、夏には「年は越せないでしょう」と言われていた父。いのしし年の父は、来年は年男、84才。この調子だと、来年の誕生日(7月)も迎えられるかもしれないなと感じている。
 
退院してからの父は、下痢の時をのぞいては、自力で排便することは難しい状態だったけれども、最近はそれもできるようになってきた。寝たきりで、食事もできない父は体重は30キロ台。ほぼ骨と皮だけの状態で、筋力も衰え、排便に必要ないきみもできず、通常は週に2回の訪問看護の際に摘便(肛門から指をいれ、便をかきだすこと)してもらっていた。がここのところ、摘便をしなくても、自力で排便ができる時が増えてきたのだ。
 
栄養は決まったものを、常に決まった時間に、決まった量注入しているので、摂取する栄養の質は変化ない。その他に、体調がよくなる要因は特に思いつかないものの、父の体調はこの3ヶ月程、とても安定していて、少しずつ良い方向に向かっているように思える。
 
発話はできないものの、最近は目で訴える感情の幅が広がった気がする。
・私の娘が傍にいる時は、小動物でも見るような優しい目になる
・周りがガチャガチャうるさい時は、ちょっとうっとおしそうな顔をする
・痛いこと、嫌なことをされる時は、「やめろ」と言わんばかりに睨んでくる
・話しかけると、内容によって、ふと驚いたように目を見開くことがある
などなど。
 
父はもう発話することはできないものの、父の表情を見ていると、何となく言いたいことが分かるような気がしてくる。
 
決して劇的に、回復したり、良い方向に向かっているわけではないが、可もなく不可もなく、安定した状態が続いていることに、「この状態が続けばいいのに」と思わざるを得ない。この状況がいつまで続くのか分からないけれども、いつかは必ず来る、別れの時にそなえて、この穏やかな日々を噛みしめたいと思う今日この頃だ。