認知症の父の在宅介護記録

アルツハイマー型認知症(要介護5)を患う父の在宅介護の記録

退院に向けて(体位変換について学ぶ)

床ずれという言葉を聞いたことはあったけれども、いまいちどういうことを指すのか分かっていなかった。が寝たきりの父と日々接する中で、ようやくその意味が分かってきた。
 
床ずれは褥瘡(じょくそう)とも呼ばれる。寝たきりの場合、身体が動かせないため、常に同じ場所(骨が出っ張っている所など)が圧迫され、血流が悪くなり、皮膚が赤くなったり、悪化するとただれたりする。ひどい場合は骨が見えるまで穴があいてしまうこともあるそうで、日々の床ずれ予防が大切になる。
 
床ずれ予防策はこちら。
・圧力をうけやすい場所(写真の赤丸部分)にタオルやクッションを敷く
・定期的に体位変換(右半身・左半身を起こしかえる)を行う
・圧力をうけやすい場所が、赤くなっていないかチェックする
 

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入院時の父の体重は36kg。ほぼ皮と骨だけの状態。私たちのように筋肉や脂肪があるわけではないので、体重によって受ける圧力は大きい。なので、骨が出っ張っているところがマットレスに直接当たらないように、タオルやクッション等を敷き、かかる圧力を和らげる必要がある。それでも常に同じ体勢でいると、圧力がかって、その部分は赤くなってくるため、数時間おきに体位変換をしなければならない。
 
床づれ予防として、病院では通常のマットレスの代わりに、エアマットという中に空気が入っているマットレスを使用していた。これはただ空気が入っているだけではなく、空気が定期的に動くことで、身体にかかる圧力を分散してくれるという優れものだ。
 
体位変換はけっこう力のいる作業だ。「体重36kgなんて軽いじゃん!」と思うかもしれないが、自ら身体を動かすことができない父は、介護者のために、ちょっと力を抜いたりということができない。全体重がのしかかると36kgでも、ものすごく重いのだ。なので、身体をちょっと起こす、倒す、向きを変えるなんていう作業でも、かなり腰にくる。腰をかがめて、重い物を持つことで、腰がやられるのと同様、体位変換等をする際は、介護者の手元の位置までベッドの高さをあげた方が良い。
 
毎日のルーティーンワークなので、くれぐれも介護者が身体を痛めないように、注意して行っていかなくてはと思う。