認知症の父の在宅介護記録

アルツハイマー型認知症(要介護5)を患う父の在宅介護の記録

退院に向けて(口腔ケアについて学ぶ)

高齢者にとって、口腔ケアは単に虫歯や歯周病を予防するためではなく、感染症予防という大きな意味合いをもつ。
 
加齢とともに、歯を失ったり、唾液の量が減ったりと、口腔内も老化していくのは仕方がないこと。でも、こうした老化現象によって、口腔内の細菌が増加し、細菌が肺にたどり着くことで肺炎を発症するとなると、大きな問題。
 
父のように、痰の量が増えている場合、すぐに口の中のいたるところに痰が付着した状態になる。頻繁な口腔ケアでこれを取り除いてあげないと、痰の誤嚥につながり、これもまた肺炎を発症しかねない。
 
高齢者の場合、口腔ケアを怠ることで、肺炎等の命を脅かす病気につながる危険性があるため、これまで以上に念入りに口腔ケアをする必要があるのだ。
 
父の場合、1日3回、鼻からチューブで栄養を注入しているが、口腔ケアは毎回の注入前に行う。口をゆすぐこともできないので、全て介護者が行う。流れはこんな感じ。
 
手元には水の入ったコップ、スポンジブラシ、歯ブラシ、ティッシュを準備する。
 
・上半身を起こす
・手袋をする
・スポンジブラシで舌と口の中を全体的に拭く
・歯ブラシで歯のブラッシング
・もう一度、スポンジブラシで口の中を拭く
 
スポンジブラシで拭く際、水にひたし、スポンジブラシを湿らす。水を含んだ状態だと、その水分を誤嚥する危険性もあるので、スポンジをぎゅーっと絞って水気を取る。さらにティッシュを使って水気を取る。
 
 
この絵がとても分かりやすい。

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さっと一拭きしただけでも、唾液や痰がごっそりとれるので、スポンジブラシをコップの中で洗う。そしてまたスポンジの水気をとって、拭く。これを繰り返す。
 
口から物を食べていなくても、唾液や痰がたまることで、口の中はけっこう汚れる。なので、歯と歯の間なんかも、入念に磨かないといけない。日々の積み重ねが大切だ。