穏やかな日々
写真は我が家のちびっこナース
最近はルーティーンワークをよく理解していて、
「じいじの注入」というと、計量カップとシリンジを取ってきてくれ、
「じいじのオムツ交換」というと、オムツを大量に(←ここがポイント)くれる。
子どもは本当に大人の言動をよく見ているなあと感心する。
訪問入浴
訪問リハビリ
9月末に退院してから、父の状態はすこぶる良い。
下痢も完全に止まり、痰も減り1日に1回吸引するかどうかというくらいだ。体温調節の仕方も要領を得てきたので、熱があがることもほとんどない。一時は酸素の値が、しょっちゅう90を下回っていたけれども、最近は96を下回ることはまずない。優秀。優秀。
そんなこんなで10月中頃、ケアマネさんから訪問リハビリを勧められる。父の場合、もう寝たきりの状態で、自ら身体を動かすことは不可能だけれども、何もしないでいると、どんどん身体が硬直化していくので、それを防ぐ目的で、手足を動かしたり、身体を起こすリハビリをしてはどうかということだった。
身体が硬直化すると、着替えやおむつ交換の際、無理に身体を動かすことになるため、少なからず痛みや不快感を伴う。そういったことを防ぐという点でも、リハビリを行う意味はあるようだ。
そこで、10月末より週に1回、40分の訪問リハビリをお願いすることになった。毎日少しずつ身体を動かすことで、身体の硬直を防ぐ、硬直のスピードを緩めることは可能なようだ。語学・筋トレと同じだ。毎日コツコツとが大切。
数回目のリハビリで、座る練習をしてみましょうとのことで、リハビリ師さんが、父を起こし、抱きかかえ、ベッドに腰掛ける形で座らせてくださった。
8ヶ月も寝たきりだった父が座った瞬間!「クララが立った」並みの感動!
長期間寝たきりだったので、上半身はフラフラになるのかと思いきや、意外にしっかりとしていて。もちろん背中は支えているものの、今では20分くらいは座ることができるようになった。そして不思議なことに、寝ている時の顔つきと、座った時の顔つきはまるで違うのだ。いつも私たちが上から覗き込んでいる顔を、正面から見るからなのか。角度の問題?それとも、父自身の気持ちの変化が表情に表れているのか?
ほぼ寝た状態の父しか知らない、私の娘も、驚きの表情だった。そりゃそうだ。初めて、正面から見つめ合う二人(笑)そして、寝ている時以上に、しっかりと孫の顔を見て、目で追う父。
次の目標は椅子に座れるようになること。椅子に座れたら、普通の車いすにも座れるので、部屋から出て、お庭の景色を眺めたり、愛犬の姿を見ることもできるようになる。
寝たきり状態でも、こうして新な目標を持ち、日々の生活を送ることは私たち家族も、ポジティブになれるので、とても意義あることだと思う。
介護生活は山あり谷あり
寝たきり患者の体温調節の難しさ
父の介護を通して、寝たきり患者の体温調節の難しさを痛感している。
父のような寝たきりの場合、ほぼ24時間ベッドの上にいることになる(唯一ベッドから出るのは訪問入浴の時くらい)。自力で動くことができないので、背中はずっとベッドに接している状態。なので背中はどうしても暑くなってしまう。さらに布団をかぶせると、その熱がこもってしまい、体温が上がることがめずらしくない。ちょっと布団をかけているだけで、体温は37度後半くらいまですぐに上がる。
今年の夏は猛暑で、我が家のような夏向きの家も24時間エアコンはフル稼働だった。それでも常にマットレスに面している背中は暑くなり、汗でパジャマがじっとり濡れることがあった。
また最近は朝夕は寒いのでエアコンを入れたくなるものの、エアコンを入れて、布団をかけると、寝たきりの父にとっては暑すぎる状態になり、すぐに背中がじっとりしてしまい、体温もあがってしまう。
寝返りをうてないということが、こんなにも体温調節に影響してしまうとは、驚きだ。と同時にベストな体温を保つことの難しさも痛感している。
ここ1, 2週間で朝・夕の冷え込みが増し、我が家のような古い日本家屋は屋内であっても、外と同じくらいの気温になる。ちなみに我が家は築100年以上の町屋だが、家自体の傾きも大きく、建具はすきまだらけで、すきま風がひどい(以下写真参照)。また足元については、床板1枚の上に畳が敷かれているので、畳の隙間からも冷たい外気を感じる。そんな状態なのでどうしても、毛布も布団も掛け、エアコンも入れたくなるのだけれども、それはNGなようだ(看護師談)。
対応策として、教えていただいたのは以下2つ。
・胸の下あたりまで布団をかけ、胸より上はタオルをかける
・靴下をはかせて、足元は布団をかけない
要は全身を布団でがっつり覆うのはNG。
上半身または下半身の一部を出して、空気にふれさせることが必要とのこと。
あとは父の場合、自動で体位変換ができるマットレスを使っているのだが、そのマットレスには、
・寒い時にはマットレスを温める機能
・暑い時には足元から空気を送り出す機能
がある。
こういう機能を活用するのも一つだ。
これから、過酷な冬がやってくる。
この家での冬は、アウトドア生活に匹敵する寒さとの闘いとなる。
うまく、寒さ対策、体温調節対策をして、冬を乗り切りたいものだ。
下痢とのたたかい(その3)
終末期医療のあり方とは
介護な日々(ほっこりする時)
父がレスパイトと胃ろうの検査入院(のみの予定だったが、胃ろうが作れる状態であることが判明したため、胃ろうの手術もしていただいた)を終え、退院したのは9月末。
父の帰宅後、また介護生活が始まる。そんな日常において、1才5ヶ月になる私の娘が、ほっこりさせてくれることが間々あり、笑顔が絶えない我が家だ。
介護に必要な色々な物も、娘にとっては全てが魅力的なおもちゃ。そんな介護グッズで遊ぶ娘の姿はほほえましいものだ。
この夏は初めてビニールプールを出し、庭で水遊びをした。我が家にある大量のシリンジを一つ拝借する。シリンジは水が出る勢いが激しいので、水鉄砲にはうってつけだ。あとはシリンジの押すところを引っ張り抜くと、ポンッと良い音がなるのだが、その音がお気に入りのようで、何度も何度も入れては外しを繰り返す娘。
入院する前に経鼻栄養で注入していたのはエンシュアという、缶に入った栄養。でも、胃ろうを作った後、下痢が続き、栄養を見直し、別のものに変更したため、自宅に大量にあまるエンシュア。これが今では娘の積み木と化している。。。
箱から出しては積み上げをひたすら繰り返す娘。
ちなみにこのエンシュア。飲むこともできるようだけれども、ものすごく甘ったるいようで、まだ挑戦できていない。24缶×3ケース+αのエンシュアをどのように消費するか、目下の課題。保険適用で購入したものなので、転売はできないし。。。ググると、エンシュアの活用法が色々出てくる。エンシュアアイス、エンシュアゼリー、エンシュアパンケーキ、エンシュアフレンチトースト。クックパッドにもエンシュアを使ったレシピが載っていて、ビックリしてしまう。それだけ、余って使い道に困っている人がいるんだな。。。
もし欲しい方いらっしゃいましたら、差し上げますので、DMください(笑)
一番のお気に入りはおじいちゃんの介護ベッドのリモコン。テレビでも、照明でも、リモコン全般大好きなのだが、特にこのベッドのリモコンは押すとおじいちゃんが上がったり、下がったりするのが面白いようで(笑)時々おじいちゃんが90度近くまで起きていることもあったり、ちょっと危ない。。。なので、最近はリモコンをロックしている。けど、ロックの解除の仕方にも気づいたようで、最近はロックを解除しようと日々リモコンと格闘している娘。
とまあ、1才と83才の同居生活は、微笑ましく、ほっこりする日々です。
下痢とのたたかい(その2)
下痢とのたたかい(その1)
介護保険のあれこれ
父の場合、初期の頃はデイサービスにも通っていたし(
こうした公的支援を受けることができるのは、大変有難いこと。だけれども、介護と育児に携わっていると、高齢者支援と子育て支援の量・質のギャップに愕然としてしまう。。。
胃ろうという選択
朝日新聞:終末期患者が蘇生拒否、半数超の消防本部で対応に苦慮
この記事の内容、他人事ではない。
我が家でも、この件については何度か話をしてきたものの、いざ何か起こった時には、気が動転して救急車を呼びかねないなと思う。
父が退院してから呼吸困難になったことが2回あった。
2回目は早朝、痰の吸引をしている時。
1回目は食べ物の誤嚥をはじめて目の当たりにし、一体なにが起こったのか分からず、母、姉、私でパニックになった。私が吸引し、姉が訪問看護師に電話をかけ指示を仰いだ。そしてすぐに看護師が自宅にかけつけてくれ、体位ドレナージを行ってもらい、症状は安定した。
2回目は早朝、私1人で痰の吸引をしていた時。前回誤嚥した時と同じような気管から鳴り響く音を聞き、何が起こっているのかが分かった。うろたえつつも、訪問看護師に電話をかけた。「このままだと死んでしまう」と思った私の手は震えていて、うまくダイアルできなかった。電話で指示された通りに体位を変換し、何とか落ち着いた。それでも、酸素の値がドンドン下がり、60を切ったときは、「もうダメだ」と思い、泣きそうになった。
私たちは家族で、父の状態が急変した際にどのように対応すべきか話し合いをしてきた。私たちの間では、たとえ父の病状が急変したとしても蘇生はしない、という方向でコンセンサスが得られている。その時は一時的に苦しいかもしれない。でも蘇生をして苦しさを長引かせたくないという思いからだ。
それでも、いざ、気管からものすごい音がなり響き、今にも息が止まりそうになっている父の姿を目にすると、とっさに「このまま死なせてはいけない」「なんとかしなければ」と思うものだ。訪問看護師に電話をし、病院に搬送するように言われたら、私たちも救急車を呼んでしまうのではないだろうか。
医師や看護師は状況を冷静に客観視し、あきらめることもできるだろうし、またあきらめなければならない時もあるだろう。でも家族は医療のプロではない。目の前にいる人間に対して愛情とともに、「少しでも長く一緒にいたい」という思いを持って接している。そう簡単に割り切れない。
これこそが、在宅療養や在宅介護の難しい点だと思う。今、在宅療養や在宅介護を増やしていこうという流れになりつつある中、こうした看護や介護にあたる家族への指導や働きかけがより一層必要になっていくのではないかと思う。
介護な日々(1日の流れ)
育児と介護
20代~30代あたりで育児にたずさわり、