認知症の父の在宅介護記録

アルツハイマー型認知症(要介護5)を患う父の在宅介護の記録

介護保険のあれこれ

介護保険介護にかかる費用の一部が保険によって賄われるものだけれども、これまたすごく幅広くカバーされている。
 
介護保険で受けられる介護サービスといっても、本当にたくさんある。なので、ここではサービスを受ける場所ごとにまとめてみた。
 
1.自宅でのサービス
足腰が悪い方等、家事を自分でこなすことが困難な方は家事支援(買物、料理、掃除、洗濯などなど)を受けることができるし、父のような寝たきりの場合は、オムツ交換、入浴等もお願いすることができる。訪問看護(これは医療保険ではなく介護保険では看護師による体調管理と必要に応じて処置を受けることができる。
 
2.通所サービス
デイサービスといってもイメージがわきにくいかもしれない。私はいつも保育園の高齢者版のような感じと説明している。朝お迎えの車が来て、1日デイサービスで過ごし、夕方には車で自宅まで送ってもらう。食事も提供され、リハビリやレクリエーションなんかもある。
 
3.施設でのサービス
いわゆる施設には(1)介護に携わる家族の負担軽減等を目的とした期限付のショートステイ、(2)特養や老健など、完全入居型の施設とがある。いずれも、食事、排せつ、入浴、リハビリやレクリエーションなどのサービスが受けられる。
 
4.介護用品のレンタル
歩行器具、ポータブルトイレ、介護ベッドなどなど介護に必要な物がレンタルできる。介護用品のカタログを見ていると、いかに大きな市場であるかを実感させられる。
 
その他にも自宅のバリアフリー化やてすりの設置、トイレや浴室の改修などの工事費に対して上限20万円が支給されるなど公的な支援は様々ある。
 
と、まあ、介護保険で利用できるサービスは本当に多岐にわたる。これらは無制限に利用できるわけではなく、要支援・介護度に応じて、利用上限がある。
 
例えば、要介護5の場合、介護保険の利用限度額は1ヶ月あたり360,650円。その上限内であれば、支払額は1割~3割負担(所得に応じて負担割合は異なる)となる。
 

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これ、ものすごい手厚いサービスだと思う。要支援・要介護の人数と平均的な利用額から、公的資金の投入額を計算したくなる。。。

父の場合、初期の頃はデイサービスにも通っていたし(本人が嫌がったすぐに通わなくなったけれども。。。)、ショートステイも何度か利用し、特養に入所した。最終的には帰宅し、今は訪問ヘルパー、訪問看護、入浴サービス、福祉用具のレンタルを使用している。

こうした公的支援を受けることができるのは、大変有難いこと。だけれども、介護と育児に携わっていると、高齢者支援と子育て支援の量・質のギャップに愕然としてしまう。。。
 
 
子育て世代の大半は経済的余裕は無いがビーベッドも、ベビーカーも、おまるも全て自費で購入する。一方で高齢者の中でも貯蓄が十分ある富裕層の方々も介護保険1割~3割負担)で、福祉用具をレンタルすることができる。
 
基本的に病気ではなく、また当事者期間も短い赤ちゃんと老いゆく高齢者を比較するのはナンセンスかもしれないが、世代間の支援内容の格差が大きすぎるのではないかと思う。公的な支援の在り方としては、世代にかかわらず、低所得者への経済的サポートをより充実させ、高所得者にはさらなる負担をお願いすべきだとづくつく思う。
 
介護当事者として介護保険制度の恩恵を受けつつも、子育て当事者としては世代間の不公平さを感じる、そんな日常です。